あなたのキスで世界は変わる
腕をつかんでそこに場違いのようにある痣を見て先生が言う。
咄嗟にその部分を隠す。
ーー本当は身体中痛いんだよ、先生。
「助けて…」
なんて言えなかった。
「関係ないでしょ…」
「あるね。オレ、お前の担任だから」
担任だからなんだっていうの?
ムカつくから話しかけてくんな。
…助けを求めてしまうじゃん。
「…かーなこっ」
突然聞こえたその明るく狂った声にカラダが硬直した。
頭にガーンと衝撃が走る。
下の名前、この人が大切そうに呼ぶからキライなんだ。
やば…早く帰るべきだった。
「せ、先輩…」
「遅いから迎えに来たよ。行こ?」
微笑みながら近づいて来る。
笑っているようで、目が笑っていない。
怖い…!