あなたのキスで世界は変わる
その声と共に私を恐怖で縛り付けていた悪魔が私の上から居なくなった。
…誰…なの…?
「せん…せ…?」
かすむ視界には血相を変えた先生が映る。
地面に這いつくばっていた私を優しく抱き寄せる先生。
その腕は力強くて“守ってくれる”って感じがした。
「田中、もう金輪際こいつに近づくな!いいな!」
「先生には関係ないだろ!俺たちの問題だ!」
「……内申書にDVって書かれる生徒ってお前が初めてなんじゃね?」
…ついに先生の本性が出た。
内申書が命である優等生の先輩には効果覿面。
舌打ちをしてその場から居なくなった。