あなたのキスで世界は変わる
「しょーがないじゃん。持って行かなきゃ」
「置いとけば?後で取りに来てもいいんだし…」
ワックスをつけた髪を慣れたようにセットしながら言う。
確かに、これ持ってくの面倒だけど…
「迷惑とか考えてんなら置いとけよ」
「なっ…」
「小川の考えは昨日で読めた」
ふっと笑う佑夜に面食らう私。
馬鹿にしたような言い方、かなりむかつく…!
「ほら、行くぞ」
「もうっ。ほんとムカつくやつ!」
強引に、私に選択の余地を与えない。
家を出る佑夜を追いかけて私も家を出たら得意気な顔で玄関先に立つ彼。
カギを閉めて一緒にエレベーターで下におりた。
「え、まさか…」