あなたのキスで世界は変わる
ーードキンッ…。
時折り、佑夜の仕草にぐっと来る時がある。
それは昨日からちょくちょく感じる甘酸っぱいもの。
胸に詰まるものがある。
ゆっくり走り出した自転車。
「ちょっと、ちゃんと安全運転しなさいよ?」
「分かってるって」
だんだん早くなってゆく中、安全運転してくれてるんだってわかるように、ちゃんと坂はブレーキを握ってくれてる。
優しいな。
その時、ふと青春って言葉が頭に浮かんだ。
佑夜の背中にトン…と頭をくっつけると瞳を閉じた。
この人の背中は頼もしい。
笑った顔は安心する。
「ありがと…」
なんだか呟かずにはいられなかった。