あなたのキスで世界は変わる
この学校で唯一、私を小さい頃から知っている人。
山中大樹。
一言で言うと、幼なじみ。
「次、音楽室だべ」
…音楽室…。
イヤな言葉ばかり言うのがほんと得意だよね、あんた。
「ヒトミ先生、今日も可愛いんだろうな〜」
能天気な声と表情に、イラッとする。
…ほらね。
汚い感情が心に満ちていく。
「なに、あんたもあんなのがタイプ?」
先生も、あんたも。
ほんと馬鹿。あんな女が好きだなんて。
「ち、ちちち違うし!俺が好きなのは…」
勝手に慌ててる大樹を置いて席を立った。
…音楽室、行こっと。