あなたのキスで世界は変わる
それを佑夜が優しく埋めてくれた。
安心して先生のいない夜を過ごせた。
「ごめんな…」
泣く私を抱き寄せる先生の腕。
ジメッとした梅雨の時期独特の風が通り抜けた。
「俺も、昨日は寂しかった」
「え?」
「いい加減、愛想尽かさないとヤバいよな」
悲しそうな声。
なにがあったの?
まさかあの女、また先生を傷つけたの?
「電話かかって来てさ仁美帰ったんだよ。男の声がもれてた」
「…………」
最低だ。久しぶりのデートを途中離脱?
考えられない。
私を抱きしめる力が強くなった。
「俺、お前をあいつに渡したくねー…」
「先生?」