あなたのキスで世界は変わる


「小川さん、東城さん、さようなら」


教室を出た私たちに先生が話しかける。


私はいつものようにツンとした態度で無視をし、佑夜の方は頭を下げて歩き出した。


わざわざ話しかけて来なくても…。

先生も案外子供だよね。


そして朝とは違い、私は自転車をおして歩く彼の横を歩いて校門を出た。


「ねえ、なんで元気ないの?」

「別に…」

「私と先生のこと気にしてる?」


しばらく歩いても会話がないから、居心地が悪い。

なんで私が気を使わなきゃいけない?


「気にしてねーよ」

「うそ。昼休みから様子がおかしいもん、あんた」


そう言うと黙ってしまった。

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