乙女桜〜誠の武士〜



━━━━ 近藤…さん…?

てっきりこのまま首根っこを掴まれ
我々の為に力を使わせろ!
と言われると思っていた私は
ぎゅっと抱きしめる近藤に拍子抜けした。


「…私を、利用しようとしないの…?」


原「なに言ってんだよ、陽凪。
俺たちは長州の奴らとは違う。
敵じゃねぇとわかったか今、
お前を物みたいに利用しようなんざ
これっぽっちも思ってないぜ。」

藤「左之さんの言うとおりだぜっ!
俺たちは敵じゃ無いやつは
ぜってぇに傷つけねぇ!
………って!ひ、陽凪っ!
泣くなよー!!!」

私の頬には知らぬ間に涙が流れていた。
泣くなと言われた私は、
とっさにに袖口で涙を拭き取ると、
座り直した。



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