乙女桜〜誠の武士〜
隊士が去った後も、
私と斎藤さんの後ろを
嫌な気配はついて来た。
斎「………くるぞ。」
長「和泉陽凪だな。
お前を連れ帰りにきた!」
━━━━ っ!?
私を連れ帰りにって、どういうこと!
まさか…
陽凪は長州浪人の
予想のしなかった言葉にうろたえた。
斎「…お前らとこいつが
何の関係かは知らんが、
こいつは俺の組の隊士だ。
お前らに渡すわけにはいかん。」
「さ、斎藤さん…。」
斎「…和泉、いくぞ。」
そういうと斎藤は浪士達に向かって
得意の居合斬りを放った。
ぐぁぁぁぁぁあああっ!!!
あっという間に1人、また1人と
確実に殺していく。
陽凪も刀を振るうが、
頭の中は浪士の言葉が巡っていた。
「…っぁあ!!」
斎「和泉っ!!」
ザシュ!!
ぐぁぁあ!
集中しきれていなかった陽凪の右腕を
浪士の刀がかすった。
その瞬間、斎藤が陽凪を斬った浪士を
一発で仕留めた。