A sweetheart with the difference of age
僕の息は切れていた。五階建ての校舎の階段。僕たちは今屋上を目の前にしている。
この位で息が切れるなんて、歳かなぁ。
ちらりと彼女の方をみる。彼女も肩で息をしている。ちょっと安心。
「見て」
と、彼女が壁を指差した。
見ると、階段の壁にずらりと絵がはってある。油絵の具か何かで、服を着た猫みたいなキャラクターが、手を広げた絵だ。
目はばちっと開かれ、明後日の方を見ている。とにかく勢いだけはある絵だ。
「すごいでしょ?」
彼女が少し自慢げに聞いてきた。
「ああ…すごい」
ある意味でだが。
「でしょ」
きっと勘違いをしているのだが、彼女が満足そうなので、よしとした。
「友達が描いたの」
「そうなんだ」
へぇ、と関心した風を装いながら、少し憂鬱になった。
「屋上で友達が個展を開いてるの。こういう絵がもっとたくさんあるの」
と、彼女が楽しそうに話す。
「お~、たくさんあるのかぁ」
声では上がり、気分は下がる。
「あ、でも、外は雨じゃ…」
「それがベストなんだって!行こっ」
と、彼女がまた僕を引っ張り始めた。
一体何がベストなんだか…。
この位で息が切れるなんて、歳かなぁ。
ちらりと彼女の方をみる。彼女も肩で息をしている。ちょっと安心。
「見て」
と、彼女が壁を指差した。
見ると、階段の壁にずらりと絵がはってある。油絵の具か何かで、服を着た猫みたいなキャラクターが、手を広げた絵だ。
目はばちっと開かれ、明後日の方を見ている。とにかく勢いだけはある絵だ。
「すごいでしょ?」
彼女が少し自慢げに聞いてきた。
「ああ…すごい」
ある意味でだが。
「でしょ」
きっと勘違いをしているのだが、彼女が満足そうなので、よしとした。
「友達が描いたの」
「そうなんだ」
へぇ、と関心した風を装いながら、少し憂鬱になった。
「屋上で友達が個展を開いてるの。こういう絵がもっとたくさんあるの」
と、彼女が楽しそうに話す。
「お~、たくさんあるのかぁ」
声では上がり、気分は下がる。
「あ、でも、外は雨じゃ…」
「それがベストなんだって!行こっ」
と、彼女がまた僕を引っ張り始めた。
一体何がベストなんだか…。