イチゴ殺人事件
イチゴ殺人事件
『夕陽が優しい光を包む放課後の教室。
目の前に広がるのは一面の赤色。
鼻腔をくすぐるのは甘酸っぱい苺の香り。
そして口から赤い液体を垂れ流して倒れている同級生・・秦野柚子(はたの ゆず)。
これが私、藤沢苺(ふじさわ いちご)が出逢った初めての事件だったのだ。』
・・・・なんだコレは。
なんか聞こえたな。天の声ってやつかな・・?
まあ、とにかく今私が直面している事件を解決しなくては・・・。
「探偵でも警察でもないんだけどね、わたしゃ。」
私は重い腰を上げて、おそらく死んでいるであろう男性に近づいた。
「ふむふむ・・・さっぱりわからないな。」
まず、なんで苺まみれ?まさか苺で死んだの?
「毒・・・殺かな・・・。」
だったら私にはどうすることも出来ないな。
『その時私は気づいてしまった。この苺はダイイングメッセージなのではないかと。』
!?
まただ、なんか聞こえた・・・ダイイングメッセージ?苺が・・・?
「うーん・・イチゴ・・itigo・・いち・・・苺?」
なんか引っかかる。ああ、私の名前が苺なんだ。
「んぁぁぁあああああ!!?私!?私が犯人なの!!?」
ありえないありえないありえない!なんで私が犯人?
まあ、教室には私しかいないし・・・彼が赤い液体を吐き、しながらパックに入った苺をぶちまけながら倒れるのも見たんだけど。
「いや、でも殺してないよ!冤罪だよ!私は無実だよ!」
考えても仕方がない・・・・証拠隠滅しよう。
「この苺が・・・私を犯人と決めているんだ・・・と思う。だったら・・・!」
私は床に落ちている苺を一つ手に取り、口に含んだ。甘い。
ゆっくりと咀嚼し、飲み込む。次の苺を手に取り咀嚼する。
夕陽に照らされた苺は、柔らかく熟れていて手に口に果汁が飛び散る。
初めはゆっくりと味わうように食べていたが、次第に数個を一気に口に入れ飲み込むように食べていった。
口に苺の果汁がべっとり付いた頃に、私は全ての苺を食べ終えた。
「ふぅ・・・これで全部。私の勝ちだ・・・・・。」
何が勝ちかは分からないけど胃の中に確かに感じる苺は、私の勝利を祝うように満腹感を与えてくれた。
「さて、帰ろうかな。もう外が暗くなってきて―――」
私が教室の扉を開けようとする前に勝手に開いた。自動ドアじゃなかったはず・・・。
『目の前には懐中電灯を手にした警察官みたいな制服を着た初老の男性が立っていた。彼の眼は私の全身を下からゆっくり眺め、口元を見た時、逃げるように走り去った。』
さっきから何か声が聞こえる・・・何処から?
私は気配を感じ、後ろを振り返った。
そこには、口から赤い液体・・・苺の果汁をべったりとつけた秦野柚子が立っていた。
目の前に広がるのは一面の赤色。
鼻腔をくすぐるのは甘酸っぱい苺の香り。
そして口から赤い液体を垂れ流して倒れている同級生・・秦野柚子(はたの ゆず)。
これが私、藤沢苺(ふじさわ いちご)が出逢った初めての事件だったのだ。』
・・・・なんだコレは。
なんか聞こえたな。天の声ってやつかな・・?
まあ、とにかく今私が直面している事件を解決しなくては・・・。
「探偵でも警察でもないんだけどね、わたしゃ。」
私は重い腰を上げて、おそらく死んでいるであろう男性に近づいた。
「ふむふむ・・・さっぱりわからないな。」
まず、なんで苺まみれ?まさか苺で死んだの?
「毒・・・殺かな・・・。」
だったら私にはどうすることも出来ないな。
『その時私は気づいてしまった。この苺はダイイングメッセージなのではないかと。』
!?
まただ、なんか聞こえた・・・ダイイングメッセージ?苺が・・・?
「うーん・・イチゴ・・itigo・・いち・・・苺?」
なんか引っかかる。ああ、私の名前が苺なんだ。
「んぁぁぁあああああ!!?私!?私が犯人なの!!?」
ありえないありえないありえない!なんで私が犯人?
まあ、教室には私しかいないし・・・彼が赤い液体を吐き、しながらパックに入った苺をぶちまけながら倒れるのも見たんだけど。
「いや、でも殺してないよ!冤罪だよ!私は無実だよ!」
考えても仕方がない・・・・証拠隠滅しよう。
「この苺が・・・私を犯人と決めているんだ・・・と思う。だったら・・・!」
私は床に落ちている苺を一つ手に取り、口に含んだ。甘い。
ゆっくりと咀嚼し、飲み込む。次の苺を手に取り咀嚼する。
夕陽に照らされた苺は、柔らかく熟れていて手に口に果汁が飛び散る。
初めはゆっくりと味わうように食べていたが、次第に数個を一気に口に入れ飲み込むように食べていった。
口に苺の果汁がべっとり付いた頃に、私は全ての苺を食べ終えた。
「ふぅ・・・これで全部。私の勝ちだ・・・・・。」
何が勝ちかは分からないけど胃の中に確かに感じる苺は、私の勝利を祝うように満腹感を与えてくれた。
「さて、帰ろうかな。もう外が暗くなってきて―――」
私が教室の扉を開けようとする前に勝手に開いた。自動ドアじゃなかったはず・・・。
『目の前には懐中電灯を手にした警察官みたいな制服を着た初老の男性が立っていた。彼の眼は私の全身を下からゆっくり眺め、口元を見た時、逃げるように走り去った。』
さっきから何か声が聞こえる・・・何処から?
私は気配を感じ、後ろを振り返った。
そこには、口から赤い液体・・・苺の果汁をべったりとつけた秦野柚子が立っていた。