<Rain>
3#再会
「碓井さーん!」
教室がまだ朝の静けさに包まれている頃。
大きな声(ってゆうか、ほぼ叫び声)が
私の名前を呼んだ。
「碓井さん!碓井さん!」
息を切らしながら走ってきたのは、
昨日話しかけてきた子。
「どうかした?」
「碓井さんって、東鷙高の三上裕樹と知り合いなの?!」
「え?」
三上裕樹?
誰ですか、その人。
「え?!」
「うっそぉ!碓井さん知り合いなの?!」
「やっぱ碓井さん可愛いもんねー。」
「そりゃ三上裕樹も相手にするよー。」
「でも碓井さんって、冷たくない?」
「分かる!うちらと一線引いてる感じ~?」
「可愛いからって、何かムカつくんですけどぉ!」
後ろの方から聞こえる悪口的なものは別に気にしないからいいけど。
三上裕樹ってほんとに誰?
そんなに有名な人と知り合いだっけ?
ずっと首をひねったままでいると、
何だか教室の外が騒がしくなった。