<Rain>


「み、三上裕樹?!」
「ほんものだぁっ!」

「ヤバい!超イケメンっ!!」



ざわつく女子たちの群れから出てきた人物は


「よぉ♪」


そうにっこりと笑った。




「えっ、と…?」


「ん?」


「昨日の、傘の…?」


「そう。昨日の、傘の人(笑)」


なぜかご機嫌な様子のその人は、
私を見ながら満足そうな顔をしている。


「三上裕樹。…ちゃんと覚えてね?」


「あ…はい。」

そういえば、最後にそんな名前を聞いた気がする。


「あんたさー。」

「?」

「結構有名なんだね。」

有名…?

どういう意味なんだろう?



「まぁいいや。」

急に冷めた眼で私を見た三上くんは
教室の中をぐるりと見渡すと、


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