同棲生活·2
ところが落合さんはわざわざ席を移動してきた。

しかもグラスや器を抱えて……。


「先輩を無視とはいい度胸してるな」

「……」


落合さんはにこにこ笑っている。

会社でもこんな顔してないのに。

少なくともオレの前では。


「珍しいツーショットだな」


マスターがオレの注文したビールをテーブルの上に置きながら言った。


「仲良し先輩後輩で飲もうな」

「断ります」

「やっぱいい度胸してるな」


はははと落合さんは笑った。

面倒くさい人と会ってしまったな。


「マスター、エビドリア一つ下さい」

「了解」


マスターはすぐに厨房に向かった。
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