同棲生活·2
アメリカに新しく建った会社の指導者として異動になった──と、聞いたことを思い出した。


「予定通り帰国してくれるといいな」

「うん」

「日本とアメリカか…。遠過ぎるよな~」

「そうよね。日本のどこなら月一ぐらいで会えるかもしれないのに。海外じゃ無理があるよね」

「彼氏が戻ってくるまで、オレが愚痴ぐらい聞いてやるよ」

「ありがとう」


愚痴しか聞いてあげることは出来ないけど。

それですっきりするならそれでいいじゃないか。


「亮二を飲み相手に選んで正解だった。本当は誰でも良かったんだけど」

「誰にも噂のことを言えずに、相当ストレスがたまってたんだな」

「うん。だから今日はやっぱり飲むよ」

「お好きにどうぞ」



それから、数時間後──

瑠衣は完全に酔いつぶれてしまった。
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