弱小バスケ部の奇跡
baske 1

校長の大カミングアウト







「おはよー棗ちゃん」


「おはよっす」





1学期始業式、今日から3年生。

最高学年。




学校には、家が近所の加藤 蒼乃(かとう あおの)と通っている。



小学校からの付き合い。

かれこれ9年目に突入いたします。






「ねー、今年は新入生来ると思う?」


「さーあね、どーだろ? 来ないんじゃない」


「えぇっ」



あたしがそう答えると、蒼乃は途端に、今にも泣きそうな顔をする。



…なんでそーなる。




「私、後輩来てほしいよぉっ! 先輩って呼ばれてみたいよぉっ…」


「…あ、あー…なるほど」




可愛いこと言うじゃないかこの子は。




「仕方ないじゃんか。ド田舎だし、子供少ない…少子化? …あと過疎化? だっけか」


「………」





……黙らないでくれる。

少し潤んだ目で上目遣いであたしを見ないで。





……あ、この会話に違和感を覚えた方も、少なからずいるのでしょうかね?



あたし達の通うM中は、北海道のド田舎にあるボロ中学校。


開校100年だっけか。

歴史ある中学校です。




まぁ、ド田舎ってこともあり、都会に引っ越す人もたくさんいて、自然とこの村からは人が少なくなっていった。



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