弱小バスケ部の奇跡
ぐっと下唇を噛む。
「……今のは、読んだんでしょ?」
「………え…」
いつの間にか落としていた視線を上げると、目の前に未希が立っていた。
「動きからしてわかった。棗は、蒼乃が右来ると思ってたでしょ?」
「!」
未希には、すべてわかってるみたいだった。
あたしはゆっくり頷く。
「ディフェンスで、相手の動きを読むことは難しいけど、必要。棗は、それを自分でやった」
未希はウインクしながら親指を立てた。
「ナイスディフェンス」