弱小バスケ部の奇跡
「ごめん! 待ったしょ?」
「ううん、今来たとこ」
あたしは首を横に振って見せる。
それを聞いた未希は、よかった、と笑みをこぼした。
「…じゃ、早速始めますか」
「よろしくお願いします!」
「なんだそりゃ、改まって」
未希はくすりと笑った。
未希は持ってきた自分のボールをつきながら、説明を始める。
「ディフェンスは、昨日の棗みたいに予想することも大事。でも1番は、逃がさずについていけるか、なんだよ」
逃がさずについていけるか。
あたしは、そのまま未希の言ったことを頭の中でリピートする。