弱小バスケ部の奇跡
「予想的中すればラッキー。でも、なかなかそうはいかない。上手い人なら、目のフェイクしたりするからね」
「め、目のフェイク、って……」
「目線は右。ディフェンスは右に行くと読む。でも実は左に行く、ってやつ」
フェイクって、そんなのもあるんだ…。
「オフェンスを自分の行かせたい方向に行かせれば、あとはこっちのもん」
「えっ、そんなことできるの?」
あたしは身を乗り出して未希に聞く。
「そんなの簡単。棗、ちょっとオフェンスやってみて」
「え…?」
未希に言われるがまま、ボールを持ち、未希と向かい合う。