弱小バスケ部の奇跡
「バスケ部、全員大集合っ」
「大集合ってほどの人数じゃないよね」
「うんうん」
美凪に反論した未希に、和香はぶんぶんと首を縦に振る。
あっという間にジャージに着替えた蒼乃も真顔で頷いていた。
「M中バスケ部ッ、ファイトぉーーっっ」
「なに今までロクにやったことないのやってんの」
あたしがそう言うと、和香、蒼乃、未希は揃って笑った。
───M中バスケ部。
いや、まずは『バスケ部』って言ってる時点でちょっと違う。
一応部活ではあるんだけど、部活、と言うよりは、どっちかって言うと同好会に近い。
部費も皆払ってないし。
顧問はいない。
練習日も特に決まってなくて、さっきのあたし達の会話みたいに、気が向いたら程度。
いざ集まって練習!
ってなっても、結局はボール遊び。
すんごくユルい。