弱小バスケ部の奇跡
あたしは、蒼乃の手からボールが離れた一瞬のスキを狙って…………
───パンッ
蒼乃の手からボールが消えた。
コロコロとフロアに転がるボール。
「ナイスカット! 練習の成果だっ!」
未希があたしに駆け寄って来て、笑顔を向ける。
「ありがとう未希…っ!」
「いーいー!」
未希はニカっと笑う。
「ナイスディフェンス棗!」
「美凪!」
「すごい上手かったよ今の!」
「ありがとう!」
初めて、美凪にディフェンスに関して褒められた気が……
「棗ちゃんすごいよっ! すごい!」
「…ども」
和香までもが、なぜかぴょんぴょん跳びはねながらそう言う。
……それで、ジャンプ力上がればいーのにね………。