弱小バスケ部の奇跡
体育館に入るなり、さらに顔を歪ませる。
「………」
「………」
自然と無言になる、あたしと、蒼乃。
その時、どこからか物音がして、あたしはそっちを向いた。
「あっ、おはよー…」
そこには、顔を真っ赤にしながらボール籠を引っ張り出す、美凪がいた。
他はまだ来てないみたいで、体育館には美凪1人だけだった。
「もーうあっつい! 窓開けよ窓!」
……暑いとか言ってる割にめっちゃ走ってるじゃん。
そんな美凪を見て、顔を見合わせて笑ったあたし達は、エナメルをフロアに置くと窓を開けるため走った。