弱小バスケ部の奇跡
……結構今の自信あったんだけど、ダメ?
「顔に出すのはさ、フェイク入れる時でいいんだよ? なにも、次抜くよ、って顔に出さなくてもいいじゃん?」
美凪はあたしの手からボールを取ると、1発フェイクを入れた。
「ぅおっ!?」
「これだよこれ」
「…?」
これ?
……どれ?
「フェイクは、大袈裟なくらいがちょうどいい。ほら、棗も大袈裟にやってみなよ」
美凪はあたしにボールを返すとそう言った。
大袈裟に、ね。
確かに、それなら騙せるかも?
あたしは美凪と向かい合うと、大袈裟に1発、フェイクを入れた。