弱小バスケ部の奇跡






───しかし、



あたしはゴールと向かい合ったまま硬直した。




え、跳ばないで打つとかキツくない?


このビミョーな距離を?





……いやでも、打つだけ打つか。



あたしは頭の中のそんな考えを追い出し、ゴールを真っ直ぐ見据えた。




膝を曲げ、力を腕に伝えて、手首のスナップをきかせて、少し、いやかなり踵を浮かせて跳ばないようにシュートを放った。







───ガンッ



案の定、外した。


でも外し方ひどい。

ボールはリングの手前に当たって跳ね返り、踵を浮かせすぎたあたしの体は前方に大きく傾いた。




< 193 / 332 >

この作品をシェア

pagetop