弱小バスケ部の奇跡
───しかし、
あたしはゴールと向かい合ったまま硬直した。
え、跳ばないで打つとかキツくない?
このビミョーな距離を?
……いやでも、打つだけ打つか。
あたしは頭の中のそんな考えを追い出し、ゴールを真っ直ぐ見据えた。
膝を曲げ、力を腕に伝えて、手首のスナップをきかせて、少し、いやかなり踵を浮かせて跳ばないようにシュートを放った。
───ガンッ
案の定、外した。
でも外し方ひどい。
ボールはリングの手前に当たって跳ね返り、踵を浮かせすぎたあたしの体は前方に大きく傾いた。