弱小バスケ部の奇跡
「ほら、蒼乃は練習しないの?」
あたしは、なお今も心配そうにあたしを見る蒼乃にそう言った。
「…うん、そうだね。私も練習しなきゃ」
蒼乃は頷くと、再度「ごめんね」と言い、向こうのゴールに向かって行った。
………さてと。
跳ばないフリースロー、練習しよう。
あたしは転がったボールを拾い上げ、再びゴールに向かう。
まずは、届かなくてもいいから、フォームだけを意識して打たなきゃ。
綺麗なフォームじゃなきゃ、もし仮に入ったとしても意味ない。