弱小バスケ部の奇跡
あたしが一通り練習し終える頃、美凪が「集合!」と声をかけた。
「和香の悲惨なジャンプ力についてだけど…」
「ひっ、悲惨な、って美凪ちゃ…
「黙ってて」
これぞキャプテンの仕事。
ナイス美凪。
「ジャンプボールは、向こうに弾くんじゃなくて後ろに弾くように和香に言ったから。だから、和香の後ろの人は、ちゃんとポジション取りしといてよ!」
……まぁ、そっちの方が望みはあるのかもね。
もし仮に勝ったとしても、和香は誰もいないところに弾きそうだし。
和香の後ろになったら、しっかりとってあげなきゃ。