弱小バスケ部の奇跡
「………ま、いっか。じゃ、明日は9時にバス停集合」
「はーい」
バス停ってだけで通じるって、ある意味すごい。
その日は早めに練習(?)を切り上げた。
「T中ってどんなとこだろうね棗ちゃん」
帰り道、蒼乃がそう言った。
「…んー、さぁね」
あたしの頭の中は千鶴でいっぱいだった。
久しぶりに会う千鶴は、どんな子なんだろう? とか、バスケ上手いのかなぁ… とか。
「……勝てるかな、私たち」
「ないない! ぜーったいない!! T中が下手くそだったら話は別だけど」
蒼乃はくすっと笑った。
「…じゃあ、全力で負けよっか」
「ぶっ、なにそれウケるーー」
蒼乃が真顔でそんなことを言うから、あたしは思わず吹き出した。
明日。
ちょっと、楽しみだったりしてね。