弱小バスケ部の奇跡





「………ま、いっか。じゃ、明日は9時にバス停集合」


「はーい」



バス停ってだけで通じるって、ある意味すごい。






その日は早めに練習(?)を切り上げた。






「T中ってどんなとこだろうね棗ちゃん」


帰り道、蒼乃がそう言った。




「…んー、さぁね」





あたしの頭の中は千鶴でいっぱいだった。



久しぶりに会う千鶴は、どんな子なんだろう? とか、バスケ上手いのかなぁ… とか。





「……勝てるかな、私たち」


「ないない! ぜーったいない!! T中が下手くそだったら話は別だけど」



蒼乃はくすっと笑った。




「…じゃあ、全力で負けよっか」


「ぶっ、なにそれウケるーー」




蒼乃が真顔でそんなことを言うから、あたしは思わず吹き出した。







明日。


ちょっと、楽しみだったりしてね。




< 21 / 332 >

この作品をシェア

pagetop