弱小バスケ部の奇跡
「じゃ、実際にやってみるか」
美凪はそう言うと、センターサークルの周りにあたし達を配置する。
「試合の時はこうね。ちゃんと体全体で相手を抑えて、いつボール飛んできてもいいようにしとくこと!」
あたし達全員で5人しかいないから、ディフェンスはつかない。
かろうじて1チームつくれる人数。
美凪は脇に立っている美羽ちゃんに「お願いできる?」と、ジャンプボール用のボールを手渡した。
「はい、わかりました!」
美羽ちゃんは美凪からボールを受け取り、センターサークルまで来る。
「ジャンプボールは、和香とウチ。今は、和香とウチが敵だとするからね」
ディフェンスがいないからジャンプボールの相手もいない。
ってわけで美凪がやるのか。
美凪と和香は向かい合う。
「いきます!」
美羽ちゃんは高くボールを上げた。