弱小バスケ部の奇跡
未希はそのままレイアップをするかと思いきや、空中で美羽ちゃんにパスを出した。
美羽ちゃんはそれを受け取り、ジャンプシュート………
───バシンッ……
「…えっ…」
美羽ちゃんの手にボールはない。
ボールは美凪の手によってはたかれた。
そんな、だって今絶対打つと思ったのに…
それなのに、美羽ちゃんのシュートカットするだなんて……
美凪………
フロアに転がったボールを美凪が拾い上げた。
「今のが2対1。オフェンスが2人でディフェンスが1人」
これが2対1か。
「じゃ、ローテーションでやるか。まずは未希と棗がオフェンス。ディフェンスは和香」
「よし、棗。勝つからな」
不意打ちで未希に背中を叩かれ、一瞬びくりとした。
でもすぐに向き合い、しっかりと頷いてみせた。