弱小バスケ部の奇跡
よし、練習戻るか。
「棗、頑張ってるね」
「…?」
立ち上がったあたしに、母さんは今更そんなことを言った。
「もう、そのメンバーでバスケができるのは、あと1週間ちょっとでしょ?」
「……あ、うん」
母さんはなにが言いたいんだ。
あたし、早く練習して確実に決められるようにしたいんだけど。
「…棗にはまだ言ったことなかったけどね、母さんも中学の時バスケやってたのよ」
「……え…っ?」
母さんが、バスケ?
あたし『母さんはテニスで全国行ったことあるんだからね』としか聞いたことなかったから、てっきり母さんはテニス一筋なんだと思ってた。
なんか、すんごいびっくりだし、意外。