弱小バスケ部の奇跡
「ねぇ美凪ちゃん、そのS中って、どこ?」
和香が首を傾げる。
「あぁ、結構街中にある中学校らしいよ。明日は、S中で練習試合だから」
へぇ。
てことは遠いのか。
「だから今日のメニューは明日に備えて、チームプレーの確認と、それからディフェンスの確認。あと、それぞれのポジション別プレーの練習かな」
今日はやることがいっぱいだ。
「さて、まずは走り込みから……
「大谷さーん」
?
いきなり、向こうから美凪を呼ぶ声。
声からして、多分大人。
なんだ、誰だよ。