弱小バスケ部の奇跡
「ドンマイ棗!」
美凪があたしの背中をぽんっと叩いた。
……そうだ。
試合はまだ続いてる。
今のは一旦忘れて、プレーに集中しなきゃ…………
「ナイッシュー棗!」
集中したら、レイアップは簡単に決まる。
あたしはさっきのミスを埋めるべく、必死にプレーした。
「ナイッシュー蒼乃!」
蒼乃のジャンプシュートが決まった。
「ナイッシュー! 美凪ッ」
美凪がまた、なんかすごいシュートを決めた。
〝ピー〟
3クォーター終了。
56対60。
頑張ったつもりだったけど、いつの間にか4点差になっていた。