弱小バスケ部の奇跡
美凪、T中4番マーク。
未希、T中6番マーク。
和香、T中7番マーク。
蒼乃、T中8番マーク。
…となると、あたしは必然的にT中5番──
千鶴。
抑え込まれて、思うように動けない。
和香はあんぐりと口を開け、7番がボールをはたいたのを見上げていた。
「ナイス!!」
千鶴がボールをキャッチし、ドリブルで走り出す。
「こるぁバカ和香!! なに見てんだっ」
未希はそう言ってすぐディフェンスにつく。
ジャンプボールに勝ったT中は、すぐさま攻撃を始めた。
ダムダムダム……
っ、速い
〝スパッ〟
「ナイッシュ千鶴!」
あたしはあっさりとゴールを許してしまった。
「ドンマイドンマイ、次!」
後ろから走ってきた美凪に肩を軽く叩かれそう言われる。
美凪がボールを出し、未希がキャッチしてボールを運ぶ。
「1本しっかり決めてこー!」
「ディフェンス! 止めるよー!!」
あたしは慌てて自分の位置についた。