弱小バスケ部の奇跡
未希の家は、大きなマンションだった。
美凪は部屋番号を打ち込み、ボタンを押す。
ー…『はい、どちら様ですか』
「っ!」
未希の声だ。
「…ウチ、美凪。それから棗も。ちょっと話したいんだけど、いい?」
『…………』
あたしは、このまま帰されるんじゃないかと内心ひやひやしていた。
…でも、その心配はいらなかった。
『………』
プツリ、と切れたかと思ったら、そのまま自動ドアがゆっくりと開いた。
あたし達はそこを通り、エレベーターで未希のいる階に向かった。