弱小バスケ部の奇跡
経験者数名のT中。
素人の集まりのM中になす術はなく……
あたし達のディフェンスはなんのプレッシャーも与えられず、次々と点を決められていった。
もちろん、あたし達が点を決めることもなく。
〝ピー〟
2クォーターが終了。
「…っはぁ……はぁ」
ただいまの得点、
T中:42点
M中:0点
体力差もあるけど、決定的な違いは、1人1人のスキル。
T中のスターティングメンバーの内、ミニバス経験者は2人。
「…気持ち切り替えて! 1本しっかり決めよう」
「「「「…はい……」」」」
キャプテン美凪の掛け声に、あたし達残り4人は力なく頷いた。
───あたしは、次からのT中のプレースタイルが180度変わってしまうなんて、全く想像つかなかった。