弱小バスケ部の奇跡
あたしはあの時、未希は和香の気持ちをわかってあげてない、最低な人だと思ってた。
………でも、それは違った。
未希は、中体連で勝ちたかったんだ。
勝ちたい気持ちが、誰よりも強かったんだ。
強すぎて、和香には、両手いっぱい広げても、受け止めきれないくらいに、それくらいに、強かったんだ。
「……どうしよう、ウチ…和香に、あんな酷いこと……っ」
未希の涙は止まらなかった。
そして、あたしの涙も、堪えきれずに溢れ出した。