弱小バスケ部の奇跡
「…今まで大きなトラブルはなかった、っていうか、練習手こずってた時期もあったかもしれないけど、でも今回ほど大きなトラブルはなかったよね」
みんな、真剣に美凪の話を聞いている。
「でも、中体連前にこうなったってことは、みんな、中体連への思いが強いってことだよね?」
「…うん…っ、和香、勝ちたい…のっ」
和香は、もう泣いていた。
「未希の気持ちも聞いたし、和香の気持ちも聞いた。2人とも、思ってたことは同じだったよ。勝ちたい。ただそれだけ。それは、ウチだって、棗だって、蒼乃だってそう」
勝ちたい。
ただそれだけ。
うん、あたし達はみんな、勝ちたいんだ。