弱小バスケ部の奇跡
「だから、みんなでその荷物を分け合えばよかったんだよ。未希だけに任せないで、みんなで持ってあげたらよかった」
あの日は、みんな自分のことで精一杯だった。
〝中体連前〟
その言葉が、もっと上手くならなきゃって、あたし達を真っ直ぐに走らせすぎた。
途中で、プレッシャーと戦っていた、壊れそうになっていたその人さえも置いてけぼりにして。
「…だから、残り時間は少ないけど、今更だけど、みんなでやろう。大きな荷物発見したら、みんなで持ってあげよう」
もう、あたしは泣かない。
泣いてる暇はない。
「みんな……もちろん、中体連、出るよね?」
「「「「うん!!!!」」」」
あたし達は、中体連に出ると決めたあの日みたいに、拳を高く突き上げた。
もうその目に、迷いなんかなかった。