弱小バスケ部の奇跡
「っ、」
……嘘っ…………
荒いプレーに真正面から立ち向かっていた美凪の足は、とうとう悲鳴を上げた。
美凪の右足首が腫れている。
「一旦ベンチに戻りましょう。立てますか?」
審判がそう言うと、和香と未希が肩をかして美凪をベンチに連れていく。
あたしも一緒にベンチに戻ろうとあとを追う時、あいつ、
千鶴が、あたしとすれ違いざまにぼそりと言った。
ー…「終わり。ざんねーん」
「はあッ!?」
「棗ちゃん! 早く!」
───あいつ、クソ千鶴………っ
まだわかんないじゃんかよ!!
まだ、終わったなんて誰1人言ってないんだよッッッッッ