弱小バスケ部の奇跡
あたしは改めて、佐倉ちゃんに向き合う。
「ほんとに?」
「あ、うん、多分ね。どーせ暇してるし」
佐倉ちゃんは、1つ下の妹がいる。
名前は、確か美羽(みう)ちゃん。
中2だけど、ここじゃない別の中学校に通っている。
「一時期、趣味でバスケやってたんだよねあの人。スコアくらい、書けんじゃない?」
佐倉ちゃんは美羽ちゃんのことを話す時、嬉しそうに笑っている。
ホラね、妹好きな優しいお姉様なんですよ。
「…んー」
え、これって、あたしの判断でオッケー牧場的な感じ?
「遠慮すんなって!」
佐倉ちゃんに押され、頷いた。
「じゃ、お願いしていい?」
「ん! 帰ったら頼んでみるよ」
佐倉ちゃんは、また太陽みたいに笑う。
つられてあたしも思わず笑った。
「ありがと」