弱小バスケ部の奇跡
美凪は、まるで自分が説明したかのように誇らしげにニンマリと笑い、腕組みをした。
「そーこーで! 今までウチらの先輩方が参加してなかったから、M中も廃校になるし、ウチらで中体連に出ようと思ったんだけど、どう!?」
…………シーン。
美凪の、やけに大きめな声がボロ体育館に響く。
あたしは、美凪をじっと見つめるしかできなかった。
……………あたし達が、中体連に、出るの……?!
「なにそれなにそれっ! 超面白そーっ! ね、出たい出たい!! 皆出たいよね?!」
和香がはしゃぎながら腕をぶんぶん振る。
……そりゃ、出てみたいなーとかはほんの一瞬だけ頭にかすったけど、
でも、経験者ゼロの集まりが中体連に出て、どうすんの───
勝てっこないじゃんか…………!