弱小バスケ部の奇跡





式の校長の長話ほど、退屈なものはない。


思わずあくびをする。





「…ね、何分喋ってる?」


隣の蒼乃にこっそり尋ねる。



「……んー、20分くらいかな」


「げー」




いつにもまして長い。




すると急に、校長はわざとらしく大きな咳払いを1つした。



「えー、ここで生徒の皆さんに大事なお話です」



……おいおい。

もう十分だよ。





「…えー、実はですね………」




あー、んだよもったいぶって。


さっさと言っ…………





「……実は、今年の7月をもって、廃校が決まりました」





その瞬間、全体がざわめく。



あたしもびっくりしたし、隣の蒼乃も目を丸くしている。







そんな、なんで、急に───




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