弱小バスケ部の奇跡
あたしは蒼乃と。
美凪と未希。
そして和香と美羽ちゃん。
さ、ペア決まったところで。
「よし! チェストパス!」
「「「「「はいッ!!!!!」」」」」
蒼乃の、綺麗な回転のかかったボールが、真っ直ぐにあたしに向かって放たれた。
〝パシッ〟
意外にも速いパス。
そのボールは、しっかりとあたしの両手に収まった。
「…蒼乃、パス速いね」
あたしが笑って蒼乃に言うと、照れたように笑った。
よっし、あたしも。
ボールを両手で包み、親指に力を入れて押し出す。
あたしの放ったパスも、綺麗な回転がかかり、すっぽりと蒼乃の両手に収まった。