弱小バスケ部の奇跡
──午後6時30分。
「よーっし、今日はここまでにしようか」
美凪がドリブルをやめて言った。
「うーい、お疲れっす」
あたしも一度手を休める。
「ふーっ、あっつーい」
和香はTシャツをぱたぱた。
「疲れたねー」
蒼乃は顔を真っ赤にして汗を拭った。
「うわっ、今気づいたけど、外薄暗っ」
未希は眉を顰める。
確かに。
でも、ちょっとずつ夏が近づいてるから、暗くなる時間遅くなったな…。
〝夏が近づいてる〟───
それは、確実に、あたし達の〝最後〟が近づいてるってこと。
〝中体連〟って、あたし達の、最初で最後の大舞台。
7月のあたし達は、どんなチームになってるかな。