弱小バスケ部の奇跡




校長は、はっはっは、と笑った。



「頭を上げなさい。大したことはしていません。……あぁ、1つ、言っておかなければならないことがありました」


「…え、っと、それは、一体どんな…」



美凪がゆっくり頭を上げ、尋ねる。





「君達の中体連初日が、我が校最後の日です。ですから、勝っても負けても、M中バスケ部として戦えるのは、その1戦限りです」


「「「「「「えっ…………?」」」」」」




美羽ちゃんを含めた6人が、同時に声をあげる。




「じゃあ、それって……」


未希の声は、わずかに震えている。





「…それが……あたし達の、最後……?」



あたしも、震えてしまった。





だって、信じられなかった。



そんな、たったの、1戦限りだなんて……




< 85 / 332 >

この作品をシェア

pagetop