弱小バスケ部の奇跡
「………残念ですが…」
「…頑張ろう、皆」
美凪があたし達に向き直ってそう言った。
「仕方ないじゃん。決まったことだよ。いつまでもうじうじしてるより、今目の前の練習を頑張ろうよ。ウチらの全ては、その試合ただ1つ。そこで、負けるわけにはいかないでしょ」
美凪の目は、すごく真っ直ぐだった。
「「「「「……うん」」」」」
今目の前にあるものに、全力を尽くす。
あたし達の全てを、たったの1戦、32分でどれだけ出せるか。
そのために、今は、
強くなる。
ただ、それだけ。
あたし達は、最高の終わり方をしたい。
勝って、笑って、終わりたい。