弱小バスケ部の奇跡
しかし、返ってきた返事に、あたしは腰を抜かしそうになった。
「中体連近いしね。でも大丈夫? なんも食べないで」
「ん、あ、あぁ、大丈夫…」
「なんか食べときなさいよ。…………あ、チョコ」
母さんは、キッチンからチョコをあさってきた。
そして、一口サイズのチョコを6個、あたしの手のひらにのせた。
「はい。今これしかなかった。っていうか怪我しないでよ」
「あぁ、うん、大丈夫」
………なんだこの変わり様は。
いつもなら、
「はあ!? こんな時間に!? 普通に考えたらダメに決まってんでしょ! さっさとご飯食べて風呂入って勉強しなさいッ」
………こーなるはずだけど。
「気をつけてね。あ、8時には帰ってよ」
「はーい」
機嫌いい母さんに送られ、あたしは近くの公園に向かった。