逃げれると思うな
隆が思いっきり颯汰のチャリを蹴り飛ばした。
まだチャリにまたがっていた颯汰は
チャリといっしょに倒れた。その倒れた颯汰に隆が
馬乗りになって胸ぐらを掴んだ。
隆は颯汰を脅すように顔を近付けた。
「てめぇ、嘗めてんのか?おい。」
颯汰は隆の顔を間近で見た瞬間
怯んだのがわかった。
「う、宇喜田隆…さん?」
明らかに颯汰がびびってた
「わかったらとっとと失せろや」
隆はそう言って颯汰から離れた。
颯汰はゆっくり立ち上がって怯えて泣いてるあたしを見た。
「澪だけは、手放したくない」
「あ?」
颯太はただ真っ直ぐ
あたしを見てた。