君だけの星へ
……それなら、わたしがとれる行動はひとつしかないじゃないか。
「……ねぇ桐生さん」
「あ?」
「わたしぃ、もうひとつケーキ食べたいな~?」
「ざっけんなエセぶりっ子め」
両手を胸の前で組み、わざと語尾を伸ばしておねだりしたわたしを、桐生さんは辛辣な言葉で切り捨てた。
するとケラケラ笑っていた早瀬さんが、わたしの頭を撫でてくれる。
「よしよし。それじゃあかわいい世莉ちゃんのためにお兄さんがおごってあげよう」
「わーいありがとう早瀬さん! 桐生さんと違ってやさしー!」
「ぶふっ。うん、俺智と違ってやさしいから!」
「おまえらそろってぶっ飛ばされてぇのか」
「やーん怒った~」
「いい大人がキレんなよ智」
「マジ厄介……!」
──知らないフリをして、彼の前で笑う。
きっと早瀬さんは、これを望んでるんだよね?
「……ねぇ桐生さん」
「あ?」
「わたしぃ、もうひとつケーキ食べたいな~?」
「ざっけんなエセぶりっ子め」
両手を胸の前で組み、わざと語尾を伸ばしておねだりしたわたしを、桐生さんは辛辣な言葉で切り捨てた。
するとケラケラ笑っていた早瀬さんが、わたしの頭を撫でてくれる。
「よしよし。それじゃあかわいい世莉ちゃんのためにお兄さんがおごってあげよう」
「わーいありがとう早瀬さん! 桐生さんと違ってやさしー!」
「ぶふっ。うん、俺智と違ってやさしいから!」
「おまえらそろってぶっ飛ばされてぇのか」
「やーん怒った~」
「いい大人がキレんなよ智」
「マジ厄介……!」
──知らないフリをして、彼の前で笑う。
きっと早瀬さんは、これを望んでるんだよね?