君だけの星へ
「なに? 智」

「……ほんとおまえは、女とあらば誰にでも愛想良くして……」

「人聞き悪いなー。フェミニストなんだよ、俺は」

「京一、俺の知り合いに手ぇ出すのはマジでやめてくれ。頼むから」

「わかってるよ。さすがに、女子高生汚しちゃうのはちょっとねー」

「よご……っ?!」



あくまでさわやかに笑いながら、さらりと言われたせりふに、思わずわたしは声をあげた。

ケータイの画面にはちょうど『データ送信しました』と表示されていて、早瀬さんがパチンと自分のケータイを折りたたむ。



「会いたくなったら、いつでも連絡してね?」

「あ、あはは……はい……」



相変わらず満面の笑みを浮かべている早瀬さんに対し、わたしは若干苦笑気味にこたえた。

わたしの視線の先には、無言のまま白い目を早瀬さんに向けている桐生さんがバッチリ見えている。

……このふたり、仲良し、なんだよね……?
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